
ここしばらく、プロモーションの都合だろう、メディアに松任谷由美がやたらでていた。テレビ番組だと、流れ上、ユーミンを絶賛することになるけれど、最近曲を聴くと、声が本当に変わったなあと思う。ガラガラ声っぽくて、僕等が一番聞いていた80年代90年代の声とは違う。ちょっと聞くのが辛い。彼女の歌は、僕らの青春の時代そのものだったから。誰にでも、年齢は訪れるものだ。彼女は現役で今でもクオリティの高い音楽を出し続けていることはスゴイと思う。
つられて、昔のアルバムをサブスクで最近聴いているが、彼女の80年代のアルバムは、本当にすごいパワーを持っていると思う。個人的には Da Di Da, アラーム・アラモード、ノーサイド、ボイジャーの辺りは、本当に名作ぞろいだと思う。荒井由実時代もいわずもがな。聴いていると、ユーミンの時代は、歌詞が、物語としてものすごい重みをもっている。だから歌詞がはっきり聞こえるように、曲のテンポがミドルで、ボーカルが全面にでてる。リズムとサウンドで押していく今の音楽とははっきりと違う。
このころの曲を聴いていてふとおもったのだけれども、うたわれる女の子の夢や人生が、なんというか、明るく力強く、語弊があるけど、単純な未来を見ている感じがする。ちょっと考えていたら、Love Wars (1989)のジャケットの写真を見て、ふと思い当たった。バブルのど真ん中だ。あるいは、バブルに向かっていく、上り坂の日本の時代だ。あのころは、就職先なんかあまたあって、学生は就職先を選び邦題だった。日本人は働き過ぎだったといわれ、誰もが明るい力強い未来を夢見ていた。実際、あのとき日本の自動車やラジカセ、ファックス、電化製品、半導体メモリなどは、文字通り世界を席巻していた。今ふりかえるとわかるけど、ユーミンが絶頂だったのは、あの時代だったんだ。彼女を持ち上げて終わる、直近のメディア露出は、バブルや明るかった日本の時代について全然言及しなかったけれど、彼女の力は、あの時代に輝いていたものでもあったと思う。
