
午前中、用事を済ませてどこに行こうかな。としばらく考えて、稲村ケ崎にいった。空が晴れていてキレイだったから海を撮りたかったのと、稲村ケ崎に行ったらこんな絵が撮れるかな。と思ったら、どんぴしゃりの絵が撮れた。

海をバックに人を撮っていたら、たぶん、ン十年くらい前に、東京に来てしばらくして仕事で撮った写真のことを、なぜかイキナリ思い出した。海と道と、そこに降りる階段がほとんど同じ構図で、そうだ、あれはこのへんだったんだ。なぜ今まで忘れていて、それを今いきなり思い出したんだろう。この場所にはここ2,3年の間に、何回か来ているのに。記憶のよみがえり方というのは、不思議なものだ。

それにはたぶん理由があって、その時に僕がかんがえていたのは、海岸の風景は変わらないものだな、ということだったからだろう。海岸に来ていたのは若者たち、恋人たち、子供連れの家族で、その風景は、あの写真を撮ったン十年前と、あまり変わってはいない。今日、ビーチにはいつも同じような人たちが集まるのだな。と考えていたら、以前若者たちが集まっていたこの海岸を撮ったことを、いきなり思い出したのだ。その時も僕は、こちらに背を向けた人たちの姿を、後ろからそっと撮っていた。僕は通りすがりの第三者だったので、真正面から人を被写体にしてどうこうする権利はなかった。僕の写真の撮り方も、あれから変わっていないんだな。とか思うと、少しおかしかった。
