
ちょっと理由があって、アマゾンFire TVを買ったのがいらなくなったので、しばらく放ってあった。
そのままにしておくのももったいないのでテレビにつないでみる。驚く。
たぶん初代ぐらいのFireTVを買って以前つかっていたのだが、とにかく音声認識が遅いし、操作性が悪すぎるのでとてもじゃないけど使えなかった。Googleともめているときだったので、YouTubeも滅茶苦茶に使いづらかった覚えがある。ところが最新式のものはサクサク音声認識するし、YouTubeも断然使いやすい。さすがに数年経っているだけのことはある。驚いてあれこれ見たら、Perfumeの2021年のポリゴン・ウェイブツアーのビデオが見れるのに気が付く。
Perfumeは、Perfumeがこんなに大スターになる前から、よく知っていた。
今となっては信じられないけど、いまは全国どこにでもあってくだらない雑貨を売る店になってしまったVillage Vanguard が、昔は東京に数カ所しなくて、怪しげなサブカルの本を売っていた、最高にクールなお店だったころだ。Village Vanguardは普通の店では手に入らない、洒落たジャズやボサノバのCDを売っていて、それが非常にイケていたのだ。並べてある本や漫画も、本当にかなりマニアックでサブカルの匂いがするもので、は知的なものやお洒落なものもあった。僕はよく自由が丘店に行っていたが、そこに、店員オススメのCDとしてあったPerfumeのファーストアルバムがあって、やっぱりここにあったか!と思ったのをよく覚えている。
当時のPerfumeは全然売れない、どうしようもない、いつ解散するかわからない二流アイドルだったが、ある時、デビュー時から音楽を担当していた中田ヤスタカがなにか吹っ切れたらしく、3人の歌声にロボットみたいにエフェクトをかけまくって、ラウドなハウスミュージックとメロディックなポップミュージックを統合した曲を歌わせ始めていたころだった。
アイドルっぽっさと、滅茶苦茶な最先端な音楽がケイオティックに混ざっていたので、音楽好きとアイドル好きの境界にいる人たちから変なぐあいに、ウケ始めたのがPefumeの人気の初めだ。あーちゃんのトークも「売れないアイドル」のい自虐ネタが多くて、ぶっちゃけて開き直っていて、ネットでみると涙が出るほど笑えるものだった。今のテレビのちょっと天然なキャラとは全然違って見えた。
のちに中田ヤスタカは、3人が全然売れていなかったので会社の管理がなく、好き勝手に音楽を作ることが出来たという趣旨のことをインタビューで言っていたと思う。
アンダーグランドな感じと、正面切って応援するのが恥ずかしいほど、きっちりとアイドルを演じる3人。エレクトロミュージックから来た人はアイドル的なノリで女の子を応援できるのが新鮮だったし、アイドル好きから来た人には、最先端のエレクトロミュージックの直撃を食らった形になった。さらにその上に、下積みがやたらに長い3人は、滅茶苦茶に高いダンスのスキルを持っていたし、やたらに3人腰がひくくて礼儀正しかったので、売れ始めても続けてスタッフが3人を支え続けたらしい。
それが最後に爆発的に火が付いたのが、両方の最高の要素を持っていた「ポリリズム」という2008年のヒットだった。あの頃は、シングルやアルバムが、ちょっとでもチャートインするたびに、あーちゃんが本気で泣いていた。まさかPerfumeが今日みたいに売れてスーパースターになるとは、誰も考えていなかった。GAMEがリリースになった時、気になっていたので、発売日から1週間たってからCDショップに行くと、初版が全て売り切れになっていて、まさか!ウソだろ!とびっくりしたのをよく覚えている。
もう14年前今聞いても、僕は同じ年に出た、2枚目アルバムGAMEが音楽的にも最高だと思う。その上に、あのころ3人を取り巻くわけのわからない熱気が、最高のポップさとリズムとメロディと一緒に詰め込まれている気がする。
Perfumeのライブはたぶん、4,5回は行ったけど、久しぶりにアマゾンプライムでみた2021年のライブは、壮大なテクノロジーをつかった最先端のショウになっていた。ライブは随分たってもずっと、3人以外のひとはステージに上がらないというルールがあったのに、ビデオを見ると、何人ものバックダンサーがついている。
僕が知らない曲も結構あった。懐かしい「マカロニ」はやっていたけれど、ライブでやらないと来ている観客がガッカリするというので必ずやっていた、エレクトロ・ワールドは、もうずいぶん長くやっていないはずだ。3人は日本のポップ・カルチャーを代表するスターだし、日本を代表するコンピュータークリエーターの真鍋大度が彼女らを支えている。あーちゃんがまた泣くだろうなあ、と思いながらCDやDVDを買っていたあのころが、夢のようだ。本当に、遠くまで来たな、と思う。よかったね。
